2008-01-01から1年間の記事一覧

今年も残すところあと一日である。が、そのわりに、気分が出てこない。とくに今月は瑣事に追われて忙しかったせいか、外に目を向けている暇がなく、あと少しで年が変わるといわれても、どうもピンとこないのだ。 それに、正月にかぎらず、さまざまな季節の行…

Aが部屋を大々的に模様替えするというので、一緒に家具屋に行ってきた。店内をまわっているうちに、ぼくもいろいろと欲しくなってしまった。机、椅子、戸棚、小物入れ。考えてみると、ぼくの部屋にはベッド以外に家具と呼べるようなものがひとつもない。 * …

Aから手紙を貰う。内容は「もう会うのはやめにしよう」といったもので、それよりもぼくは彼女が今月で(もしくは今年いっぱいで)仕事を辞めてしまうことに一番驚いた。 * Kが何の連絡もなしに突然仕事場にあらわれる。イギリスにいるものだとばかり思って…

携帯電話を忘れたことに気がついたのは、すでに仕事場に着いたあとである。クリスマス・イヴともなれば、本来は一日中鳴り止まないラブコールに辟易しているところであるから、それはそれでさっぱりしたものがある。愚かにもそのときぼくはそのように考えて…

あ、そうそうクリスマスだけれど、仕事のあとの予定はとくにないからね。ぼくを誘うなら、まだ間に合うよ。ただし、きみが可愛くてノリのいい娘であればの話だけれどね。まあ、考えておくよ。 * しずかな朝であった。何年も手違いで届かなかった手紙が思い…

どうしてあなたは「YES」と答えてくれないのだろう。いつになったらぼくはあなたがあなたであり、それはあなたでしかないということに驚かないで済むようになれるのだろう。 * と、こうしていろいろと思い悩むことはあっても、それを言葉であらわしてみたと…

年末年始のスケジュールのおおよそのところはすでに見通しがついた。例年通りあわただしくなりそうだ。そして例年通り何事もなく過ぎてゆきそうである。 * たとえば、ぼくがいまある娘が気になっているとする。そこでなんとか策を弄した結果、その娘とうま…

もんじゃ焼きを焼く際に交わす会話にはどこか卑猥な響きが感じられる。 * ものすごい勢いで縁石に乗り上げている車を目撃。おまえは何がしたいんだ。 * 脱力感がひどい。そのうえ思考は後ろ向きになるばかりで、これではとても生きた心地がしない。 たとえ…

ふかい眠りは、目が覚めた後もしばらくその「重たさ」を意識の上にも身体の上にも残すものだ。仮死の時間。その空白にぼくの全生涯が書き込まれている。空白とは余剰のことである。いまだかつて、ぼくはふたたびそこへ帰っていきたくなるような夢を見たこと…

Mに電話したら、そのあまりの温度差に言葉を失ってしまった。おたがいに受話器越しに言葉が見つけられないというのは、滑稽かつ悲惨な状況である。 * Kらとの忘年会は一次会がボーリングなんだとか。倒錯している。ノンアルコールの玉遊びでどうして年が忘…

休日なのに朝の七時に目が覚めてしまった。そのためか一日がいつもよりも長く感じられた。これでそのうえ有意義に過ごすことができたらもっとよかったのにね。 * すこし思うところがあって、しかしそれをうまく言いあらわすことがいまだにできないでいる。…

Mさんと食事。学校が女子大のせいもあって、普段こうして男性とふたりで出歩く機会は少ないんだという。快活な表情のあいだにときおりするどい警戒の表情があらわれると、ぼくはすっかりあっけにとられて、グリーンサラダを咀嚼することも忘れてしまった。 M…

車の衝突事故を至近距離で目撃した。破片が飛んできた。とおくで女の悲鳴があがった。そうして一瞬の沈黙が訪れた。双方の運転手が車から降りてきた。どうやら致命傷を負ったひとは一人もいないようだった。やがて周囲は騒々しさを増していった。その場から…

寒さが厳しくなってきた。とくに朝は耐えきれないほどに寒い。いくら仕事があるといったって、この寒さでは、家の扉を開けることさえ躊躇してしまう。だからこそ、こうして通勤に時間がかからないのは幸いである。あんな調子で毎朝何十分も外を出歩くなんて…

散髪。おかげで頭部全体が寒い。 Sは冬場になるとかならずタイツを着用するそうで、お前も履いたらどうかと熱心に勧められた。一応、断っておいた。 * 山本周五郎「泣き言はいわない」を読んだ。この本は、山本周五郎の作品のなかから箴言になりそうな箇所…

三連休もあっけなく過ぎてしまった。三連休といっても、土、日、月とぼくには一日も休みがなかったのだから、普段と変わることがなかったのも当然だろう。 そうして、年の瀬は迫ってくる。いや、事実はそれとは逆で、ぼくらが迫っていっているのかもしれない…

AとSとIの四人で、焼き鳥屋に行った。Aはドライバーでもないのに、ウーロン茶しか飲まない。Sは痛風の病み上がり(実際に完治はしないそうだが)なのに、おそるべき勢いでビールを飲んでいた。 その後、Aが用事があるというので一緒に中古雑貨屋へ行った。結…

髪を短くしたTに、冗談で「失恋でもしたの?」とたずねたら、図星だった。一瞬、場が凍りついたのかと思った。おそらくあれはたがいに予想外の状況だったのではないのだろうか。 それにしたって、いまどき失恋で髪を切る女なんているのかね。これではまるで…

人間関係の場面において、そこで演じられるすべての動作は暗示である。したがって、理解することと誤解することのあいだに見分けはつかない。ぼくたちが最終的な判断を延期させようとする傾向を持つのはこのためである。そして、じつはこのことによってぼく…

Mは頭部が一番の性感帯なんだという。たしかにその辺の事情はひとそれぞれだろうが、それにしたって頭部が性感帯というのでは日常生活に多大な支障が出るはずである。怪しいぜ。 * 結構久しぶりに焼肉を食べた気がする。考えてみると、焼肉を食べるときは毎…

「いくつかの出来事の、唖然とするような、説明抜きの非合理性を解明するためには、これを記録する側の人間の資料が、厳密に真実であることが必要である。胸をえぐるような問いかけが刻み込まれた時間はあまりに美しく、この時間に何を付け足すことも、何か…

はじめてSの車に乗った。エンジンがかかると同時にスティーヴン・ビショップの「Save It For A Rainy Day」が流れてきて、あっけにとられてしまった。意外な趣味、というかなんというか……。でも、あえてそこには触れないようにした。 * で、その「Save It F…

クサカンムリにバケルと書いて、花。 こんなことに感心してしまうくらい、精神は枯渇している。 * ここに一冊の本がある。以前読んだことがあるのは間違いない。しかし、そこに何が書いてあったのかはどうしても思い出すことができない。いまでも憶えている…

図書館に行ってきた。日曜日のせいか、非常に混んでいた。かなり可愛い顔をした娘が、どういうわけかラフォルグの詩集を手にしていたので、早速声をかけてみた。が、結局連絡先は聞きだすことはできなかった。図書館でのナンパはそう簡単に成功するものでは…

「動きは言葉の表現の、あるいは音楽そのもののはるか以前にやってくる。なぜなら、踊りはそれ自体の音楽を持っているからだ。きみがそこに立っているとき、きみは空間のなかにいるのではなく、空間のそとにいる。きみはこの世にいるのでもなく、この世のそ…

ベニショウガは、なにを基準にしてあの容量で販売しているのだろう。非常に使いにくい。もっと少量サイズがあってもよさそうなものなのに。 * どんな弔いの鐘が、かれら家畜のように死ぬ者たちのためにある? ただ、砲火の化け物じみた怒りがあるだけだ。 …

ふたたび「赤と黒」を精読している。読み返すたびにいよいよ退屈に感じられてくるのはなぜだろう? * 専制君主の墓碑銘 ある種の完全さ、それが彼の追い求めたものであり、 彼の創作した詩は平易に理解された。 人間の愚かさを知悉し、 軍隊と艦隊に非常な…

いつのまにか体育の日が移動している。本当に、いつのまに? * 今月はほうぼうのラーメン屋をめぐることにしよう。で、チャーハンをメインに攻めていくことにしよう。 * 今日はより誇らしげに、ぼくたち、同じような夕方のことを思い出している、 氷河から…

風邪が治ったと思ったら、今度は恋がひとつ終わってしまった。 * 何人も死を直接経験することはできない。ぼくらはどうしてもその決定的瞬間をとり逃してしまう。結局、ぼくらは間接的に死が何であるかを観察することができるだけである。マルセル・デュシ…

風邪をひいて寝ていることを知っているくせに、心配してますメールをよこしてくるのは、よほど気が利かないからなのだろうか。イライラしてしまった。 * しかし、寝ているだけでは退屈である。せっかくなので、「明暗」を24時間内に読破しようと思う。 * …