散髪。おかげで頭部全体が寒い。
 Sは冬場になるとかならずタイツを着用するそうで、お前も履いたらどうかと熱心に勧められた。一応、断っておいた。



 山本周五郎「泣き言はいわない」を読んだ。この本は、山本周五郎の作品のなかから箴言になりそうな箇所をピックアップしてまとめた、いわば一冊の人生論である。しかしながら、セレクトした側の責任かもしれないが、こうも「人間は〜」を連発されると、さすがに飽きてくる。書いてあることはどれも大同小異で、もっともらしくもあり、同時にひどくうさんくさい。



 Mに食事を誘ったら、「いまはそういう気分ではない」と体よく断られてしまった。ぼくは「一緒に食事でもどうですか」と言っただけであって、なにも下心があるわけではない。要するに、ぼくはただ単にチュトワイエしたかっただけなのだ。
 はてさて! なぜぼくはこうして負け惜しみを言う羽目に陥ってしまったのだろう?



 Aからは、沖縄旅行の話を持ちかけられた。なんでも、彼女の兄が新婚旅行で行ってきて、非常に面白かったんだとか。でもね、お嬢さん、この年末年始にそんな余裕があるものか。いましばらくの間は、おとなしく家に引きこもって、ぼくは「失われた時を求めて」でも読んでるさ。