右手にあかぎれができてからずいぶんと経つが、いまだに治る気配すらない。見た目には犀の皮膚のようである。



 「欲望という名の電車」をDVDで観た。以前観たときほど感応するところがなかったようにおもう。登場人物たちはだれしもみな、何らかのかたちで人生に裏切られている。それでもなおかれらは生きていかなければならない。



 水上勉「五番町夕霧楼」(読むのは二度目だが、やはりこれは名作なのではないか)、桑子敏雄「西行の風景」



 T君のライブを観に行った。スケジュールが予定外にずれてしまったので、時間に間に合わないかもしれないとかなりあせったが、その日はT君のバンドが主催するイベントで、かれらの出番はトリだったせいもあって、それまでにはなんとか間に合うことができた。
 T君のバンドは別段ぼくの好みの音楽ではないのだけれど、充分楽しめた。女の子とも知り合いになれたし。


 ぼくが時間に遅れた理由はいろいろとあるが、なかでも一番時間をロスしたのは、一緒に行く約束をしていたSが、遅刻したぼくよりもさらに遅刻して待ち合わせ場所に現れたことである。Sはライブハウスに来ること自体、今日がはじめてだとかで、演奏がはじまってからもずいぶんとおとなしくしていた。ああいう場所では、もっと弾けた方がいいとぼくは思うのだが。で、ぼくはといえば、酔いと疲労で、帰るときにはすっかり気分が悪くなっていた。



 「今日は下着の上下が揃ってないから、脱ぎたくない」という断り方。