暑い。露出狂には都合のいい気候である。近所のスーパーの食料品売り場ではおばさんが乳を放り出した格好で買い物をしていた。おかげで、ただでさえない食欲がさらに減退してしまった。
 Fの新居を写メで見せてもらった。まだ家具が置いてないので、ものすごく広いように思えた。たしかに夫婦二人で住むにはすこし贅沢すぎるようだ。すでに結婚して10年近く経つが、子供ができないのが悩みであるという。子供の作り方は知ってますか? ちがう穴に入れているのと違いますか? そういった話はなんとも返事がしづらいものだ。
 



 ・一昨日見た夢

 J公園へ通じる坂道をMがひとりで歩いている。ぼくはその背後に近づいてゆく。Mの気をそらすため、ぼくは匿名の電話をかけてプロレスがどうしたこうした、一方的に支離滅裂な話をする。そうして坂の果てる間際でぼくはMを銃殺する。道の左手は渓谷のようになっていて、ぼくはそこにいったん身を隠す。そのとき何冊かの本を置いてゆく。
 J公園では友人らが集まって花火をしている。そこにいる女性の何人かとは、ぼくはすくなくとも一度は肉体関係を持っていて、そのときの様子を回想しつつ彼女らと接する。花火が終わると、夜だというのにぼくらは集合写真を何枚も撮る。ぼくの位置は二列目の一番左である。すると、急に好戦的に変貌したTがぼくらに攻撃をしかけてくる。ぼくは至近距離からロケット花火を撃ち込まれる。そのままTはどこかへ消え、すべてをなしくずしにする朝が来る。と同時に警察がやってくる。それと一緒にMがまったくの無傷の姿で現れる。Tの反乱はどうも野球ボールにちなんだものであったらしい。なんでもボールの縫い目には黒と赤ともう一色(何色かは忘れた)の三通りあって、それには地域(あるいは州)によって差別的な意味がこめられているというのだ。なお黒は全国共通で使えるものであるらしい。いっぽう、MはMで昨夜の事件に関してぼくのことを疑っている。いったんは険悪な空気になったが、けっきょく話はうまくまとまったようで、ぼくは安心する。だが最後になって、電話の着信履歴で犯行がばれてしまう。それでぼくは電話(それもPHS)を持ってあの坂道わきの渓谷のなかへ走って逃げ込む。あいかわらず本は地面に置きっぱなしのままである。ぼくは崖の途中に身を潜める。そこでぼくは自分が逃げ出すのが早すぎたことを後悔する。というのも、ただ電話の着信が確認されただけであって、犯行自体はなにひとつばれてはいなかったのだ。それにもしばれていたとしてもMは寛容にも許してくれるかもしれない。しかしこうなった以上、向こうがぼくのことをどう認識しているのかは確かめるすべがない。こちらに足音が近づいてきた。なぜか手にしていた電話には拳銃の機能もついていて、ぼくはこうなっては自殺を図る以外どうしようもないと観念する。すこしのあいだ口の中とこめかみのどちらに弾を撃ち込むべきかで逡巡する。そのあげく、口の中では失敗しそうに思えたので、こめかみに撃ち込むことを決心する。頭の中をひとすじの流れがうずまきながら貫通してゆく。ぼくは崖下に落下し、死ぬとはこういう感触なのかと思いながら絶命する。
 その日はすばらしく快晴で、ぼくら(ぼくはちゃんと生きた状態で友人らと並んで歩いている)はS小学校(ちょうど坂をのぼりきったところにある)のそばを、一連の事件の解釈を言い合いながら通っていく。満開の桜の花が壮観である。そのあとで、ぼくは別の何人かの友人たちとしゃれたレストランで食事をとる。するととつぜんその店恒例のアコースティックライブがはじまる。音量が大きいので、同じテーブルにいても満足に会話を交わすことができない。Yがこちらを向いて露骨にいやな顔をしてみせる。



 今朝は遅刻しそうだったので、かなりの距離を走らなければならなかった。けっきょく間に合ったから良かったが、朝っぱらから本気で吐きそうになった。いまだに回復していない。今夜は絶対安静で、水平生活に徹することだ。