仕事中にSから週末の花見の誘いがあったため、それにあわせて休日を変更してもらったら、ありえないほど過酷なシフトになってしまった。明日からがおそろしい。



 甲殻類、アスパラガス、バルザック
 ぼくの内部の絶対空間。
 それはファンキーかついくらかフォニーである。
 ピーナッツの落下速度で、夜の長さを計測している。


 空と空が重なって、繋ぎそこねた手と手が結果、交差する。
 ぼくの反自我はいつでもひとつの声にとりまかれている。
 ぼくの背後を滑走してゆく正体不明の影がある。
 あらゆるテーブルコーディネートは俗悪である。


 孵化するニコチンの客間劇。
 白い壁からは女の腕が二本、突き出ている。
 姿は見えなくとも、ぼくは彼女の性的なニュアンスを感じる。


 あらためて全裸になると、鋏が前髪にかかる瞬間のように、
 ふいにぼくは緊張を覚える。すると、手際の悪いぼくの頭上に
 運よくピーナッツが落下して、その間にぼくはうまく身支度を済ませる。



 で、Sがいうには、花見の予定日は、天気予報によると雨らしい。なんだ、それ。



 家に帰ってきたら、CDと本がたくさん届いていた。注文していたのをすっかり忘れていた。せっかくだが、なかにはすでにぼくの興味をひかないものもあるというのが、なんだかかなしい。



 Tさんの娘とはじめて話らしい話をしたが、見れば見るほど、親子の顔が似すぎている。遺伝子が本気を出したとしか思えない。また、彼女のかなり砕けた感じの語調にいくらか面食らってしまった。ああいうのは、おそらく相手を選んでいるのではないかと思う。