朝食、カレーライス。夕食、カレーうどん



 ふいに風景がゆがんで見える。男と女が一組、流星をひいて歩いてゆく。垂直運動の銀河系。聴覚は冴えわたり、虚無は形相を欠いている。ポルノが生起する。光と影が交差するように、アーバニストの痙攣ダンス。あらかじめ余白に書き込まれていた日付と署名が、じょじょにくっきりと浮かび上がる。火花を散らすようにして、ブロンドヘアーをふりまわす女のみちびく流星にみずからすすんで衝突せよ。歯車の眼をしきりに回転させる男の苦悩にも理解を示そう。ねじまがる白い太腿を開いて、葬列の川を下っていこう。夜は死のように静かである。今宵、宇宙には一羽の小鳥もいない。



 卵料理はぼくの気分を悪くする。



 時間が足りない。そのために断念せざるをえないことが多すぎて、ウンザリしてしまう。しかしその一方で、時間を無駄に過ごしていることを意識していながら、そのまま無駄に過ぎるにまかせている、といった時間もけっして少なくないのである。要するに、どんなに時間割を綿密に制作しようと、気分が乗らなければ、何をやるにしても身がはいらないものなのであるから、まずなすべきことを自分の感情の起伏を少しでもコントロールすることではないのだろうか。